大人のマナーで楽しい親睦会に!顔合わせ食事会での挨拶の基本

結婚が決まり、まず行われるのが古き良き時代から続く結納や両家の親睦を深める顔合わせ食事会です。
結納に比べ、顔合わせ食事会は堅苦しくなくこれといった決まりが無いため、近年ではこちらを選ぶ新郎新婦が圧倒的に増えています。

「じゃぁ普通に飲んで食べて親睦を深めるだけ?」

というとそういうわけでもないんです。もちろん、テーブルを囲んだ楽しいひと時だけで・・・という両家もいるかもしれませんが、これから親族となる大切な顔合わせの場、せっかくならワンランク上の親睦会で、より両家の絆を深めたいですよね。
今回はラフになりがちな顔合わせ食事会をしっかりとした式典にするための挨拶のいろはをご紹介致します。

 

【顔合わせとしてのナレーション】

挨拶の基本を知る前に、まずは顔合わせ食事会の全体の流れをおさらいしておきましょう。全体の流れを事前に把握しておけば、気持ちに余裕を持って当日を進行できますし、しっかりとした挨拶もできます。

1.両家が会場に到着

お互い両家の家族、親族に事前に合ったことのない場合は、ここが初対面となります。ここでの遅刻は第一印象が悪くなるので絶対に厳禁。最低でも10分前くらいには余裕を持って会場に到着するようにしましょう。当日は何かとバタバタしちゃうから、前日にはある程度の準備を行い、不安がある方は事前に会場に一度訪れておくと行き道も安心です。

2.両家の自己紹介

まずは両家ともに、簡単な自己紹介をします。新郎から始まって家族および親族、続いて新婦から親族へと自己紹介を進めます。自己紹介に合わせて、当日集まってくれたお礼も新郎新婦から述べるようにすれば、より当日は良い雰囲気でスタートします。

3.結婚指輪の交換

最近では食事会だけで顔合わせを終える新郎新婦が増えていますが、とはいっても両家が顔を合わせる大事な式典。すでに結婚指輪を購入している場合は、両家へのお披露目も含めて交換をするのも良いでしょう。あまり意識しすぎると固くなってしまい、逆に緊張してしまいますので、気負いすぎず和やかな雰囲気で行うとグッドです。

【ポイント】手土産を渡す場合は?
昔の習わしを重んじる場合は、顔合わせ食事会でも手土産を相手親族に渡すケースがあります。手土産で無難なのは洋菓子や和菓子、お酒やフルーツです。あくまでも当日忙しい中集まってくれたことに対する感謝の気持ちを表すものですので、熨斗等は付ける必要がありません。

4.乾杯をして会食開始

自己紹介と結婚指輪の交換が終わったら、ここから両家の親睦を深める食事会がスタートです。形式ばった固い食事は親睦を深めるには避けて、できる限りのんびりと食事と会話を楽しむようにしましょう。ただし、両家親族はふたりにとって人生の先輩であり、これからお世話になる大切な方々。年輩の方には飲み物を酌みに行く、グラスが空いている方がいれば率先して注文するなど、多少の配慮は必要かもしれません。両家から、主役だから楽しんで!と一言もらえている場合は、親睦を深めるべく、できる限り皆と話せるように当日を楽しんでくださいね。

【ポイント】両家の正しい席順は?
どれだけフランクな食事会でも、顔合わせ食事会は両家の顔を合わせる大切な儀式。両家の席順も大事なマナーの一つになってきます。席は入口に近い方が下座で、遠い方が上座だということを改めて認識しておきましょう。上座から順に、両家の父親、両家の母親、本人となるように座るのが基本です。また、一般的には新郎側が上座に座ります。事前に食事をする部屋の間取りを確認しておき、当日スムーズに両家親族を席へ促せるようにしておくとよいかもしれません。

5.記念撮影

楽しい食事会を終えれば、最後に記念写真撮影を撮ることをおすすめします。両家が初めて顔を合わせた記念すべき日ですし、顔合わせ食事会はこの日しかありません。一生の記念ですから、にこやかな笑顔で、最高の一日を締めくくってくださいね。

6.最後に

食事会を写真撮影で親睦が深まり、楽しい食事会も佳境を迎えれば、最後は新郎新婦がそろって両家親族へ感謝の気持ちを述べましょう。また、新たな門出としてふたりの人生がスタートする決意の場でもあるため、これから先もよろしくお願いしますという想いで挨拶を行いましょう。最後の挨拶だから、しっかりとした口調で、相手の目を見ながら話すことを意識してください。そうすることで、より想いが伝わります。

【挨拶が必要なタイミング】

顔合わせ食事会の全体を確認したところで、本題の挨拶についてみていきましょう。挨拶が必要な場面は基本的に「自己紹介時」「乾杯」「結び」の3回です。前述で言うと②、④、⑥にあたります。また、顔合わせ当日の進行は、新郎または新郎の父が行うのが一般的です。こちらも合わせて覚えておくとよいでしょう。

 

自己紹介時の挨拶

会食前、お互いの親族が自己紹介する場面では、最初に簡単な挨拶を入れるようにします。話す人は新郎か新郎の父が一般的。集まっていただいたことへの感謝の気持ちや、会食を通して親睦を深めたい想いなどを伝えるようにしましょう。ここでは、実際の挨拶の文例を交えながら解説していきます。

<新郎の挨拶例文>

「本日は、私たちのためにお集まりいただき、誠にありがとうございます。私(新郎名前)と、(新婦名前)さんの婚約にあたりお互いの家族を紹介し親睦を深めたく、今回この場を設けさせていただきました。おいしい食事を通して、少しでも両家の絆が深まればと願っております。本日は何卒、よろしくお願い申し上げます。」

<新郎父の挨拶例文>

「本日はご多忙の中お集まりいただき、誠にありがとうございます。(新郎)の父、(新郎父の名前)と申します。(新婦名前)さんと息子の(新郎名前)の婚約が整い、このような素敵な会を開かせていただくこととなりました。本日、(新婦名前)のご家族、御親族の皆様と親睦を深める機会ができましたこと、誠に嬉しく思います。本日はどうぞ、よろしくお願いします。」

<立場別挨拶例文>

進行役の新郎と新郎父、新婦の挨拶が終わったら、続いて家族親族の自己紹介挨拶にうつっていきます。ここでは、人数が多い場合は一人ひとり簡単な挨拶が望ましいですが、挨拶の内容としては仕事や趣味、性格、最近の出来事などを交えるようにすれば親近感がわき、より親睦が深まりやすくなります。また、家族の挨拶にも基本とされる順番があります。一般的なマナーとしての順番と、それぞれの立場別の挨拶例文をご紹介します。

新郎の家族紹介例文

「まず私の両親を紹介します。私の父(新郎父親の名前)、そして母の(新郎母親の名前)、兄弟姉妹(兄弟姉妹の名前)です。よろしくお願いします」

新婦の家族紹介例文

「続いて、私の両親を紹介します。私の父(新郎父親の名前)、そして母の(新郎母親の名前)、兄弟姉妹(兄弟姉妹の名前)です。よろしくお願いします」

新郎兄弟姉妹の挨拶例文

「本日はおめでとうございます。(新婦名前)さんが兄のお嫁さんとなり、義姉さんになったことを心より嬉しく思っております。これからもどうぞよろしくお願いします」

新婦兄弟姉妹の挨拶例文

「本日はおめでとうございます。私も(新郎名前)さんのような素敵な方がお義兄さんとなり、とてもうれしく思っております。今日はどうぞよろしくお願いします。」

自己紹介挨拶のポイント

顔合わせ食事会は、お互いの両家のことをより深く知って親睦と絆を深める場。緊張はすると思うけど、あまり気負いすぎず、気楽に自分を紹介する気持ちで臨みましょう。そうすることで自然に笑顔が溢れ、よりなごやかで楽しい会食となるはずです。

乾杯時の挨拶

進行役の新郎もしくは新郎父が簡単な挨拶を行い、全員で乾杯をするのが基本です。自己紹介時にある程度の挨拶を済ませているため、乾杯前はあまり長々と喋らず、端的で簡単な挨拶にしましょう。

<乾杯の挨拶例文>

「改めまして本日はお集まりいただき、ありがとうございます。おいしい食事をゆっくりとお楽しみいただければ幸いです。それでは僭越ながら、乾杯の音頭をとらせていただきます。乾杯!」

結びの挨拶

顔合わせの最後に結びの言葉として、進行役の新郎もしくは新郎父が挨拶をします。挨拶をする人が新郎、新郎の父親に関わらず、挨拶の最後に新郎新婦から両親たちへの感謝の気持ちを伝えることが最も大切です。

<新郎の挨拶例文>

「本日はお忙しい中、とても楽しい一日をありがとうございました。両家の皆様のおかげで、このような良き日を迎えることができました。まだまだ未熟な私たちではありますが、笑顔の絶えない家族になれるよう、支え合っていきたいと思います。ご迷惑をおかけすることも多いかと思いますが、今後とも私たち二人をどうぞよろしくお願い致します。」

<新郎父の挨拶例文>

「宴もたけなわではありますが、このあたりでお開きにさせていただきたいと思います。本日は皆様のおかげで、滞りなく顔合わせをすることができました。御礼申し上げます。今後とも、何卒よろしくお願いします。」

【挨拶のマナー&気をつけておきたいポイント】

初対面の人がいる前で挨拶するのはとても緊張するものですが、失礼のないある程度のマナーをしっかりと把握しておけば安心です。事前に新郎新婦ふたりで確認し合い、当日気持ちに余裕を持って挨拶できるよう備えておきましょう。

挨拶する時も含め、終始姿勢はよくしよう

挨拶をするときはもちろん、当日はできる限り姿勢良くすごしましょう。姿勢が良いだけで清潔感が感じられますし、自然と大きな声が出ます。挨拶では特に、姿勢を正し一礼することを意識しておきましょう。また、場が和んでいても挨拶の時はピシッとメリハリをつけることが重要です。

挨拶はタイミングがすべて

食事会での団欒はとめどなく進んでいきます。その時間を一度遮って挨拶する必要がある場合、それぞれのタイミングを見極めることが肝心です。歓談が盛り上がっていたりするとなかなか切り出すタイミングは難しいですが、顔合わせ全体の時間を事前にしっかりと把握しておき、折を見て挨拶を盛り込んでいきます。挨拶の時間をあらかじめ予定している場合は、少し早め早めに工程を進めると顔合わせ食事会が長引くこともなくなりそうです。

挨拶にはリラックスして挑む

挨拶も含め、顔合わせ食事会全体を通してリラックスして臨むことが大切です。礼儀正しくすることやマナーはもちろん大切ですが、緊張しすぎて喋れない、時間が押してしまう、といったことが起こってしまっては逆に失礼にあたる場合も。両家の心に残る記念すべき日になるよう、和やかな雰囲気で会が進むようこころがけましょう。

挨拶や全体の工程を資料化

どうしても緊張してしまう場合は、対策として事前にある程度の資料を作成しておくことをおすすめします。短く簡潔で良いのでメモなどに記載しておきましょう。ただし、できる限り暗記して当日を迎えることです。メモを読みながらの挨拶は気持ちが伝わりづらくなるかもしれません。心配な場合はカンペを用意しておきましょう。

お酒は大人のマナーで

当日は記念すべき日だから、当然お酒を飲むケースが多くなると思います。緊張や楽しい会食のあまり、ついついお酒を飲みすぎてしまった!なんてことは絶対にしないようにしましょう。酔っぱらった状態ではしっかりとした挨拶もできませんし、相手親族に対して失礼な態度や発言をしてしまう危険性もあります。お酒が好きで普段から飲んでいるという人も、この日ばかりはセーブして、たしなむ程度でお酒を楽しみましょう。

挨拶のNGワード

新郎新婦間では呼び捨てにしてても、この日ばかりは両家の目もあります。お互いを呼ぶ時は、必ず「さん」をつけて呼ぶように意識しましょう。また、相手の家族、親族の人を呼ぶ時は「お義父さん」ではなく、「〇〇さんのお義父さん」と呼ぶようにすれば、より丁寧な印象になります。

まとめ

いかがでしたか?今回は顔合わせ食事会の流れや基本から、挨拶についてご紹介しました。
ふたりの人生の新たな出発点となる結婚。たくさんの慣れないことがある中で、支えてくれるのは人生の先輩である両親や家族、親族の皆さんです。基本的なマナーももちろん重要だけど、両家が初めて顔を合わせる場面で本当に大切なのは感謝の気持ちです。

こう言わないといけない・・・失敗したらどうしよう・・・という気持ちを捨てて、素直に感謝の気持ちを述べて当日を記念すべき日にしてくださいね。

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