入籍前後にやる10項目の手続きを分かりやすく解説

入籍して苗字が変わると、免許証や銀行口座、保険の名義など諸々変更手続きが必要になります。役所や窓口に出向いて行う手続きや、ネットや郵送で行うものなど、入籍後は手続きでバタバタしがちです。
入籍後のわずらわしい手続きをスムーズに行うためには、事前にやることを確認して手続きの手順を把握しておくことが大切。本記事では、やることリストと手続きの手順をできるだけ分かりやすくご紹介します。

一目で分かる入籍前後にやることリスト

まずは一目でやることリストを確認!
以下、手続きがスムーズに行える順番となっています。

  1. 転出届・転入届・転居届の提出
  2. 印鑑登録
  3. 住民票、婚姻届受理証明書の取得
  4. 公的医療関連の手続き(国民健康保険、国民年金など)
  5. 自動車関連の手続き
  6. 運転免許証の名義・住所変更
  7. パスポートの書き換え・再発行
  8. その他の各種手続き(銀行、クレジットカード、生命保険など)
  9. 会社関連の手続き
  10. 会員登録系の変更

入籍や引っ越しのタイミングによっては、さらにやりやすい順番があるかもしれないため、ぜひ参考までに。次に、ひとつひとつの手続きを詳しくご紹介します!

1.転出届・転入届・転居届

入籍するにあたって新居に引っ越す場合や、どちらかの住居に住むため住所が変更になる場合は転出届と転入届、もしくは転居届の提出が必要となります。

 

転出届

届出先 現住所を管轄する市区町村役場
手続き内容 引っ越し日までの14日以内に提出し、「転出証明書」をもらう
届出人 本人、世帯主、代理人でも可
提出時の持ち物 ・印鑑
・国民健康保険被保険者証
・本人確認書類

転入届

届出先 新住所を管轄する市区町村役場
手続き内容 新居に住み始めてから14日以内に提出
届出人 本人、世帯主、代理人でも可
提出時の持ち物 ・印鑑
・転出証明書
・本人確認書類
・年金手帳(国民年金の場合)
・住民基本台帳カード(あれば)※本人が届け出る場合は印鑑不要

※引っ越し手続きにともないガス、電気、水道などのライフライン関連の手続きを忘れずに行いましょう。

転居届について

転居届は、引っ越し後も住所を管轄する市区町村役場が変わらない場合に届け出るものです。これまでの市区町村役場にて転居届を提出することで、住民票の書き換えが行われます。

2.印鑑登録

印鑑(実印)は住んでいる住所を管轄する市区町村役場にて登録を行いますが、転出届を提出して管轄する役場が変わる他、入籍をして苗字が変更になると自動的に失効します。
そのため、転居届や転入届を提出する際、新たな住居を管轄する市区町村役場にて印鑑登録を行いましょう。

※入籍と引っ越しをしたが、管轄する住所が変わらない、かつ苗字も変わらないという場合は手続き不要です。

 

届出先 新住所を管轄する市区町村役場
手続き内容 役場にある印鑑登録申請書に沿って記入
新たに登録する印鑑とともに提出する
届出人 本人、代理人
持ち物 【本人の場合】
・登録してもらう印鑑
・本人確認書類
【代理人の場合】
・代理人の印鑑
・代理人の本人確認書類
・委任状

3.住民票、婚姻届受理証明書の取得

住民票は免許証の変更に必要となり、銀行の名義変更には免許証もしくは戸籍謄本が必要となります。入籍後の手続きには何かと免許証のような身分証明書が必要となるため、入籍後は早めに住民票を取得しておくといいでしょう。
また、新姓が記載された最新の住民票をいち早く入手するときに役立つのが、婚姻届受理証明書です。通常、新姓が反映されるまでに時間がかかる住民票ですが、この書類を持って住民票の住所地を管轄する役場に行けば、その場で新姓に変更してもらえます。婚姻届受理証明書の利点は婚姻届が受理された後すぐに取得できること。
婚姻届受理証明書は会社に結婚したことを証明する書類として提出する人も多いです。

 

住民票

届出先 住民票の住所地を管轄する市区町村役場
手続き内容 住民票請求用紙に写し内容や枚数などの必要事項を記入し、規定の収入証紙を購入して窓口に申請
届出人 本人、同一世帯人、代理人も可
持ち物 窓口に来た人の本人確認書類
(代理人の場合は委任状も)

婚姻届受理証明書

届出先 婚姻届を提出した市区町村役場
手続き内容 婚姻届が受理された後に、収入証紙とともに申請
届出人 本人
持ち物 発行手数料

4.公的医療関連の手続き(国民健康保険、国民年金など)

入籍後、健康保険や年金の区分が変更になる人は手続きが必要となります。対象者は「第1号被保険者」になる人と「国民健康保険」に加入する人です。また、既に国民年金と国民健康保険に加入している人は、名義と住所の変更を届け出ます。

 

届出先 新住所を管轄する市区町村役場
手続き内容 【既に加入している人】
入籍から14日以内に窓口で氏名と住所の変更を申し出る
【これから加入する人】
退職後すぐに窓口で新たに加入したい旨を申し出る
届出人 本人
持ち物 【既に加入している人】
・これまでの国民健康保険証(交換する必要があるため)
・認印
【これから加入する人】
・認印
・退職日が分かる書類

厚生年金、共済年金制度に加入している人の手続きは?

いわゆる第2号被保険者、第3号被保険者の人は、保険に加入している会社側が手続きを行ってくれるため、自分で行う届出はありません。そのため、入籍後は会社側へすみやかに氏名や住所地の変更などを申し出ます。退職する場合は上記のように手続きを行いましょう。

 

5.自動車関連の手続き

自動車を所有している人は、車検証の内容を変更する必要があります。入籍を機に住所や氏名が変わった場合は住民票と戸籍謄本が必要となるため、必要書類を取得してから手続きを行いましょう。

 

届出先 新住所を管轄する運輸支局、または軽自動車検査協会
手続き内容 引っ越し前に、管轄の警察署で「自動車保管場所証明書」を取得する
引っ越し後、15日以内に運輸支局で変更手続きを行う。新たな車検証を取得し、自動車税の登録内容も変更する
届出人 本人、代理人でも可
持ち物 ・住民票
・戸籍謄本
・自動車保管場所証明書
・自動車検査証
・認印
・手数料納付書
・ 自動車税、自動車取得税申告書
・ナンバープレート(管轄が変わる場合は変更するため)

6.運転免許証の氏名・住所変更

事前に取得していた住民票を持参し、運転免許証の変更を行いましょう。免許更新前の免許証には、裏面に新しい本籍と氏名を記載してもらえます。センターや試験場は混み合うこともあるため、警察署がおすすめです。
運転免許証は身分証明書として役立つため、免許を持っている人は早めに変更手続きを行うといいでしょう。

 

届出先 新住所を管轄する警察署
運転免許センター
運転免許試験場
手続き内容 届出先に置いてある運転免許証記載事項変更届を記入し、必要書類とともに窓口に提出します
届出人 本人
持ち物 ・新しい住民票(原本だと安心)
・縦3.0㎝、横2.4㎝の申請用写真1枚(県が変わる場合に必要)
・認印

7.パスポートの書き換え・再発行

氏名や住所が変更になった場合は、パスポートの「切替申請」または「記載事項変更申請」を行う必要があります。入籍後、ハネムーンで海外に行くという人は早めの手続きが必要です。

 

届出先 市区町村にあるパスポートセンター
手続き内容 切替申請または記載事項変更申請のどちらかを選択し、パスポートの氏名、本籍を変更する
※受け取りまでにかかる日数や手数料が異なるため、各パスポートセンターにて確認
届出人 本人、代理人も可
持ち物 ・一般旅券発給申請書1通
・有効中のパスポート
・申請前6か月以内に撮影した写真
・申請前6か月以内に取得した戸籍謄本/抄本(記載事項変更申請の場合に必要)

8.その他の各種手続き(銀行、クレジットカード、生命保険など)

住民票や戸籍謄本の取得ができ、運転免許証の変更手続きが済めば、銀行やクレジットカード、生命保険などの手続きをスムーズに行うことができます。
必要書類や手続き方法は、以下を参考にしてみてください。

銀行の名義変更

必要書類 ・新旧名義を確認できる公的証明書(戸籍謄本、住民票、運転免許証など)
・通帳、証書、キャッシュカード
・これまでの届出印
・新たに登録する届出印※銀行により異なることがあるため、HPで要確認
手続き方法 必要書類を持って銀行窓口で申請する

クレジットカードの名義変更

必要書類 ・対象のクレジットカード
・新たな印鑑
・身分証明書
手続き方法 カードセンターや支店の窓口で変更を申し出るか、インターネットや郵送で変更手続きを行う
※カード会社により変更方法は異なるため、要確認

※支払いに指定している金融機関とクレジットカード会社に届け出ている名義が異なると、支払いの引き落としがうまく行われない可能性があります。カードの支払日までに、銀行名義の変更と同時期に行うといいでしょう

生命保険の名義変更

必要書類 ・印鑑
・身分証明書
・保険証券
※上記があると安心です。必要書類は保険会社に問い合わせましょう
手続き方法 営業担当者に問い合わせると手続きが早いインターネットのマイページで行える保険会社もあるが、結婚すると保険金の受取人などが変更になる人もいるため、営業担当者に問い合わせるのがおすすめ

携帯電話の名義、住所変更

必要書類 ・身分証明書
・料金支払いに必要な銀行のキャッシュカード、もしくはクレジットカード
※お使いの携帯会社のホームページで要確認
手続き方法 各キャリアの店頭や、インターネットから変更を行う

9.会社関連の手続き

入籍時点で会社に勤めている場合は、会社への入籍報告を忘れずに行いましょう。
氏名の変更や給与振り込み口座の名義変更など、会社で必要な手続きを行います。住民票や戸籍謄本が間に合わない場合は、婚姻届を提出後にすぐ取得できる「婚姻届受理証明書」を提出すれば入籍の証明となります。結婚祝い金などを申請できる会社もあるため、事前に確認しておくといいでしょう。
また、結婚を機に退職する場合や、結婚式やハネムーンで休暇をとりたいという人はその旨も早めに相談することをおすすめします。

10.会員登録系の変更

大事な手続きが落ち着いてきたら、ショッピングサイトや美容院などの予約サイトの会員情報を変更しましょう。
特に物が届くショッピングサイトの場合は住所変更を忘れずに。また、クレジットカード情報なども忘れがちなポイントとなります。手のあいた時間に会員登録系の変更も済ませておきましょう。

最後に

入籍にともない住所の変更や印鑑登録、国民健康保険や国民年金への加入など人によって行う手続きはさまざま。その量も多いため、入籍後はなにかと忙しくなります。あれもこれもと頭で考えていると、ついついパンクしてしまい疲労感がどっと押し寄せてくるもの。
手続き疲れの負担を少しでも減らすために、入籍前の少しの余裕を見計らってやることリストをまとめておきましょう!さらに細かく、行動スケジュールを立てるのもおすすめです。本記事をぜひ参考にしてみてください。

 

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