平均100万円!本当に結納金っているの?結納の歴史も踏まえて必要性を調査

結納は日本独自の婚約の儀式として受け継がれてきました。時代とともに結納品も変化し、酒肴品や着物・反物などの現物から自由度の高い現金志向が高まり、現在では結納=結納金というイメージを抱いている人も少なくありません。
結納のしきたりには地域性があり、結納返しをする地域としない地域もありますが、そもそも結納自体に意味を見いだせないという意見もあり、両家の合意のもとで結納をしないという結論に至る場合も少なくないようです。

ただ、本音と建前の部分で言うと
「本当は別に結納がやりたくないわけではない」
「結納金が高すぎて用意できないけど、お金がないから結納をしないとは言えない」

といったことも少なくないようです。

そこで今回は、結納における結納品の意味や結納金はなくてよいのかなどを、結納の歴史に基づいてご紹介します。

結納金はあり?なし?

結納

結納品について歴史を紐解いてみましょう。結納は、結婚に際して男性側が酒肴を女性側へ持参し宴を開いたことに由来すると言われています。
この時点で結納品はお金ではなく、その多くが現物でした。
その後、結婚支度品として男性側が女性側へと着物・反物を贈っていたものが、時代の流れとともに小袖料としてお金を贈るようになったことが結納金として今も残っているようです。
その金額が平均で約100万円というかなりおおきな額であることから、結納は結納品と現金を贈るというイメージが強くなってしまっています。

結納金だけでなく全体のバランスを考える

改めて結納金について考えてみましょう。
結納本来の意味に返ると、結納金はなしでも構わないということになります。ここでポイントになってくるのは、結納では結納金だけではなく結納品も同時に贈ることが多いということです。
つまり結納金はなしにするけれど他の結納品はあるのか、結納金も結納品もなしにするのか、ということについて両家で相談する必要があるのです。

ふたりや両親と話し合って決めましょう

実際に結納金を用意せずに結納をする場合もありますし、結納自体を執り行わず、顔合わせだけで済ませるというケースも少なくありません。
いずれにしても両家双方の合意が必要です。

伝統的には結納そのものが、両家を結ぶ儀式として行われていたこともあり、結納をしないというだけで結婚を認めないと言われてしまうこともあったようです。
最近ではそこまでのことは少なくなっていますが、新婦を迎え入れる立場の男性側は特に、一方的に結納や結納金の有無を決めることは避けた方がよさそうです。
両家または本人同士の話し合いによって決め、筋を通していくことも必要となってくるでしょう。

結納金に賛成派

結納金は多くの場合、男性側から女性側へと贈られますが、本来は婿養子の場合、立場が反対になり、女性側から男性側に贈られるのが筋となります。
結納金の相場は100万円前後と言われています。
その使い道は元来、家から家へ、花嫁衣装を中心とした結婚の支度金という意味合いを強く持っていました。

婿養子なのに男性側が結納金を払うこともある?

現実的な結婚式の費用を考えると、結婚式・披露宴で女性側が着る衣裳代はレンタルの場合でも男性側より高くなることが一般的です。
そして、女性の衣裳代は女性側が出す傾向にあるため、他を折半すれば女性側にかかる費用のほうが高くなります。
その費用差を埋める意味合いで婿養子であっても結納金を男性側から女性側へ贈るというケースもあるようです。

結納金は結婚式に使うお金

結納金について結納という儀式だけで割り切って考えるとどうしても理由が分かりにくい出費と思われてしまいがちです。
しかし、その後に続く結婚式・披露宴や新生活の準備に至るまでに必要な費用を考えると、結納金は必要だという考え方は根強く残っています。

結納金は不要派

昨今では、結納金は不要とする考え方も増えてきました。
結納金には結納返しという言葉がセットになっているように、男性側から女性側へと贈られる結納品や結納金に対して、女性側から男性側にお金や品物などを返す儀式を結納返しといいます。
結納のしきたりには地域性が強く、品数や相場などに違いがありますが、関東では結納金の半分を女性側から男性側へと返す半返しが一般的です。
女性側から時計やネクタイピン・カフスボタンなどの品を添えて結納返しとするケースもあります。
一方、関西では結納金は男性側から女性側へのみ贈るものであり、お返しはしないというしきたりが通常です。
そのような形式的に品物や現金を双方が贈り合うのではなく、もっと合理的にしようという考え方の中で増えてきたのが結納金は不要とだとする考え方です。

そもそも結納自体を執り行わない

結納は品物を贈り合うことが主な内容であるため、結納品がない場合は結納そのものが成り立たなくなります。
婚約のけじめとして結納を行いたいという考えはあり、どうせなら合理的に行いたいという考えから、結納金なしで、婚約指輪や腕時計などの婚約記念品を互いに披露する内容を主体とした結納を行うなど、内容を現代的にアレンジして結納を行うケースもあります。

結納をせず、顔合わせである程度かしこまった儀式を執り行う例が増えているのもこういった考えから。
それぞれの両親や家族の紹介しながら食事を共にする中で、婚約指輪をお披露目するという進行でアットホームに行われていることが多いようです。

結婚式や新生活の準備にお金がかかる

実際、結婚に関連する費用について現実的な負担の仕方を考えようという動きが大きくなっています。
結婚式・披露宴や新生活には何かと大きな費用が動きます。
できるだけ形式的な出費は抑えて現実に目を向けたいという考えから、結納金不要派は確実に増えています。

結納金をなくして新生活や結婚式費用に

女性側の経済的負担を思いやる側面や、男性側の経済力を示す側面もある結納金ですが、結納というけじめの儀式における結納品は本来、両家の縁を大切にする日本人らしい相手に対する心遣いから発生したものだと捉えられます。
しかし、どのような伝統儀式においても時代と共に変化していくことも、自然な流れです。結納後に続く結婚式・披露宴に対する考え方も時代と共に変わってきました。
結婚式・披露宴については、こだわりをもちつつも派手ではないスタイルが増え、結婚式や披露宴を行わないという人も増加傾向にあります。
そのような時代の中で、結納金はやめて、実際に必要となる新生活や結婚式費用を出し合うというスタイルは現実的であり増加傾向にあります。

結納金肯定派も否定派も想いは同じ?

結局のところ、結納金肯定派は「結婚準備や新生活にはお金がかかるので結納金は必要」と言い、結納金否定派は「結婚準備や新生活にお金がかかるのだから結納金は不要」と言う。
どちらも同じことが根拠となっており、抱えている想いは同じなのです。
だから、きちんと状況や事情を説明すれば、否定派と肯定派で意見が食い違っていても理解してもらえるはず。
どういったカタチで気持ちや想いを伝えられるかを考え、両家が納得できる結論を出していくことが大切と言えるでしょう。

まとめ

結納をする、しないに関係なく、結納金は絶対に必要なものとは言えるでしょう。
ただし、自分達の都合や考えを押し通し、一方的に「結納金はいらない」と決めつけてしまうのは、受け取る側であっても失礼と言えるでしょう。
男性側女性側の双方の合意が必要であり、大切です。できることなら両家の両親の考え方も聞いておきましょう。
結納や結納金をどうするのか、ということは、結婚式、披露宴、新生活に至るまですべてが一連の流れのように繋がっています。

結納だけ、結納金だけを切り出して話し合えるようなものではありません。
また、結納や結納金について話し合う中で、結婚や新生活に対するお互いの考え方が明らかになってきます。特に経済的な面での話し合いを避けることはできません。
結婚とは生活を共にすることです。経済面でどうするのかを話し合うことは今後の生活の地盤にかかるとても重要なこととなります。
結納は婚姻に係る日本独自のしきたりですが、しきたりは時代と共に変わります。自分たちらしい答えを出してよいのです。
結納金の話をきっかけにして、お金のことや将来のこともしっかり話し合いっていきましょう。

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